弁護士が教える利用規約の作り方

この記事では、弁護士が、一般的な利用規約の作り方をひな形条文つきで解説します。

利用規約を今すぐ準備しないといけない方は必見です。

本記事で紹介する文書はKIYACで簡単に作ることができます。

目次

利用規約を作る理由

多くのウェブサイトのフッターに存在する「利用規約」。

これまでなんとなく「作らないといけない」と考えていた人が多いのではないかと思いますが、「なぜ作らなければならないか」については、一定の勉強をした方以外は、あまり聞いたことがないかもしれません。

ここでは、利用規約をつくるべき理由を説明します。

プライバシーポリシーや特商法表示とは立ち位置が違う

当ブログ内のほかの記事で説明しているように、プライバシーポリシーは、個人情報保護法の要請に基づいて作成されるものです。そもそも、作成しない、ということが許されません(法律違反)。

特定商取引法に基づく表示(特商法表示)も、同様に、特商法上、有料の商品をウェブ上で販売する場合、作成が義務付けられているため、必ず作らなければなりません。

すなわち、プライバシーポリシーと特商法表示は、法律上作らなければならないので、作る、ということになっています。

では、利用規約はどうか?といいますと、実は「利用規約を作らなければならない」と定めている法律はありません。

利用規約の作成は、法律上の義務ではないのです。

なぜ法律上作成義務がないのに利用規約を作るのか

それでは、なぜ世の中の多くのインターネット事業者が、法律上の作成義務がないにも関わらず利用規約を作っているのか?

それは、事業者自らを守るためです。

たとえば、毎月課金のサブスクリプションサービスを展開していて、利用料金の支払が途中で止まってしまったユーザーがいるとします。

もし利用規約がなければ、このユーザーの取扱はどうなるのでしょうか?

不払いが継続した場合、サービスの提供はいつストップすればよいでしょうか?

ユーザーアカウントはどの段階で停止すれば良いでしょうか?

サーバー上のユーザーのデータをすべて削除してよいのはいつでしょうか?

遅延損害金は発生するでしょうか?その率は何%でしょうか?

これらすべてが、「民法の原則どおり」ということになります。

しかし、そもそも法律を一定程度勉強したことのある方でない限り、「民法の原則どおり」といわれても、上記のような質問に対して具体的にどのような回答になるのか、予測することは困難です。

また、一生懸命民法を調べて、「民法〇〇条に基づくと〇〇になります」とユーザーに説明しても、ユーザーも法律の素人なので、その内容を理解することも、納得することも、非常に難しくなってきます。

また、「民法の原則どおり」といっても、民法にも書いていないことはたくさんあります。

民法に書いていないことは、過去の判例などをさかのぼって確認することになりますが、これは、法律の専門家でもなければいよいよ困難な作業です。

利用規約が存在しないと、何かトラブルが起きたとき、事業者も、ユーザーも、「どうしたらよいかわからない」という状態になるわけです。

利用規約があったらどうなるのか?

反対に、利用規約があればどうでしょう。

たとえば上記で想定した事例で、利用料金の不払が2ヶ月続いた場合はユーザーを強制退会し、過去のデータもすべてサーバーから削除することができる、と利用規約に書いてあれば、事業者はその規約の内容どおりの対処をすれば済むわけです。

あとで説明するとおり、あまりにも一方的に事業者に有利な内容の規約があれば、その部分が消費者契約法違反を理由に一部無効と裁判所で判断される可能性は0ではありませんが、多くの場合、利用規約に記載してあることは、そのままユーザーとの決め事(約束、契約)として、有効になります。

このように、利用規約を整備することで、インターネット事業者は、安心してインターネットを使ってサービスを提供できますし、ユーザーも、安心してそのサービスを利用できるわけです。

各条項の解説

次に、一般的な利用規約で記載されることの多い事項について、個別に解説していきます。

ユーザー登録

多くのウェブサービス/アプリが、メールアドレスやパスワードを入力させてユーザーにアカウントを開設させ、ログイン制度をもっています。

そのようなユーザー登録制度を持っているサービスにおいて、よく問題となるのが、登録を拒否したいユーザーが現れたときの対応方法です。

たとえば、過去に規約違反を犯した人間が登録をしようとしている場合、何も規定がなければ登録を拒絶するときにトラブルになってしまいます。

そこで、ユーザー登録時に、一定の事由がある場合は「登録拒否」ができると記載しておくことで、そのような人物のアカウント開設を拒否することができるようになります。

たとえば次のような条項が考えられます。

登録拒否
当社は、以下のいずれかの事由があると判断した場合、利用登録の申請を承認しないことがあります。当社は登録拒否の理由について一切の開示義務を負いません。
・虚偽の事項を届け出た場合
・本規約に違反したことがある者からの申請である場合
・その他、当社が利用登録を相当でないと判断した場合

ログイン情報の管理責任

ユーザー登録制度を導入した場合によくあるトラブルが、「ID忘れた」「パスワード忘れた」といったものです。

実際のところは、このような場合、お問い合わせ窓口などから救済対応をすることが多いかと思いますが、事業者側でも探索、探知が不能になった場合に備えて、「最終的にはログイン情報の管理はユーザーの自己責任ですよ」ということを明示しておく必要があります。

ログイン情報の管理
ユーザーは、自己の責任において、本サービスのログイン情報を適切に管理するものとします。ユーザーは、いかなる場合にも、ログイン情報を第三者に譲渡または貸与し、もしくは第三者と共用することはできません。当社は、ログイン情報が第三者によって使用されたことによって生じた損害につき、当社に故意又は重大な過失がある場合を除き、一切の責任を負いません。

故意(知っていた場合)や重大な過失(重大な不手際)がある場合を除く、としてあるのは、このような場合にまで事業者が完全に免責されるとしてしまうと、そのように事業者にあまりにも有利な条項は、消費者契約法違反であり無効と裁判所で判断されてしまう可能性があるためです。

未成年による利用

多くのウェブサービスやアプリが、未成年によるサービスの利用を禁止していたり、一部制限したりしています。

まず、なぜそのような禁止や制限がよく見受けられるのかを解説し、その後、利用規約上の対処方法を説明します。

民法のルールを理解しよう

法律(民法)上、未成年は、特別な扱いを受けています。
特にビジネスの領域において問題になるのが、「取消権」です。

(成年)
第四条 年齢十八歳をもって、成年とする。

(未成年者の法律行為)
第五条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。(以下略)

ここで、まず、「法律行為」とは、要するに契約のことです。ウェブサービスでいうと、「利用規約に同意する」というのがこれにあたります。

次に「法定代理人」とは、要するに親権者であるお父さんお母さんのことです。

すると、民法5条1項2項は、次のように読み替えられます。

(未成年者がインターネット上のサービスを使うとき)
第五条 未成年者が利用規約に同意をするには、お父さん又はお母さんの同意を得なければならない。

2 お父さんお母さんがサービスの利用を許してくれなかった場合、お父さん又はお母さんは子供が勝手にした利用規約への同意を取り消すことができる。

以上のように、民法では未成年を守る強いルールが存在しますが、たとえば次のような条項を置くことで、事業者を一定程度保護することが考えられます。

未成年による利用
ユーザーが未成年である場合には、法定代理人の同意を得た上で、本サービスを利用してください。
法定代理人の同意を得ずに本サービスのご利用を開始したユーザーが成年に達した場合、未成年者であった間の利用行為を追認したものとみなします。

まず1文目ですが、事業者からすると、ユーザー登録をしてきた人物が未成年なのか、成年なのかを判断することは困難です。そこで、このサービスを利用する場合は、必ず法定代理人(お父さんお母さん)の同意を得てください、ということを、利用規約上のルールにしています。もし、同意を得ずに、勝手にサービスを使った場合は、お父さんお母さんから取消権の行使を受けることもありますが、逆に、事業者側から利用規約違反による強制退会をさせることもできることになります。

次に2文目ですが、これは未成年のときにお父さんお母さんに内緒で勝手にサービスを使っていた未成年が、18歳になった場合は、もはや取消権を行使できず、さらには過去の利用行為をなかったことにして利用料金を踏み倒すこともできないと定めたものです。

お父さんお母さんから取消権の行使を受けた場合、その主張を完全に排斥することは難しいですが、以上のような仕掛けを利用規約に組み込んでおくことで、事業者側から一定の反論をだすことができるようになります。

事業者が提供するコンテンツの利用

ウェブサービスやアプリは、文章、画像、動画、音声、音楽、ソフトウェア、プログラム、コードなどの著作物の集合体です。

この、著作物の集合体を、ユーザーは、どこまで、どのように利用することが許されるのか。

これを規定するのが、「コンテンツの利用」に関する条項です。

著作物の「利用」は、厳密に説明するとかなり複雑になりますが、一番基本的なところを説明すると、写真だろうが、スクリーンショットだろうが、テキストコピーだろうが、態様に関わりなく、「コピペすること」です。

著作権法上は、「コピペ」に代表される著作物の利用は、著作権者の許諾がなければ、できないことになっています。

他方で、著作権法は、ありとあらゆる利用行為を禁止しているわけではなく、私的な利用の範囲であれば著作権者の許諾は不要であるとしています(著作権法30条1項)。

著作権法
(私的使用のための複製)
第三十条 著作権の目的となつている著作物・・・は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること・・・を目的とするときは・・・、その使用する者が複製することができる。

toCウェブサービス/アプリでは、もちろんユーザーによるサービスの私的利用を前提としていると思われますので、この著作権法のルールを原則どおり採用することになるのが最も一般的と考えられます。

たとえば次のような条項が考えられます。

コンテンツのご利用
当社は、ユーザーに対し、本サービスが提供する文章、画像、動画、音声、音楽、ソフトウェア、プログラム、コードその他のコンテンツについて、本サービスの利用範囲内における私的な利用を許諾します。有償コンテンツについては、当社が定める利用料金の支払が完了した場合に、本サービスの利用範囲内における私的な利用を許諾します。これは、譲渡及び再許諾できない、非独占的な利用権です。この範囲を超えて本サービスが提供するコンテンツを利用することは一切禁止します。
理由の如何を問わず、ユーザーが本サービスを利用する権利を失った場合、本サービスの一切のコンテンツの利用ができなくなることを、ユーザーは予め承諾するものとします。

ユーザーが提供するコンテンツの取り扱い

今度は逆に、ユーザーがプラットフォーム側に提供するコンテンツ(写真、動画、コメント等)の取り扱いについて説明します。

たとえば、地域の飲食店を紹介するアプリ内で、ユーザーがそのお店に行ったときに写真や料理の感想を投稿できる。ゲームアプリで、参加者同士がチャットツールを使って自由に議論をすることができる。そのような機能のことです。

このときに、ユーザーがサービス上に投稿する写真や文章の著作権は、もちろんユーザーにあるわけですが、これを事業者側が利用するためにはどうすればよいのでしょうか。

ユーザーが投稿するコンテンツを事業者が利用することを検討する大前提として、そもそもユーザーから投稿されるコンテンツに何か違法な要素がないのかをチェックしておく必要があります。

たとえば、ユーザーがネット上に落ちていた写真を勝手に本サービス上に転載した場合、これは勿論著作権侵害です。その写真の著作権者は勝手に転載したユーザーを責めるでしょうし、その写真を掲載したサービスの事業者に対してもクレームを出すでしょう。

そこで、利用規約に次のような規定を置くことが考えられます。ユーザーが投稿したコンテンツが第三者のものであり、その第三者に黙って勝手に利用した場合の責任は、すべてユーザーが負担する(サービス事業者は責任を負わない)ことを明示するのです。

ユーザーの投稿
ユーザーは、ユーザーの投稿に含まれる情報を送信することについて適法な権利を有していること、及びユーザーの投稿が第三者の知的財産権(著作権、特許権、実用新案権、商標権、意匠権(それらの権利を取得し、又はそれらの権利につき登録等を出願する権利を含みます。)又はアイデア、ノウハウ等をいい、以下同様とします。)、所有権その他の権利を侵害していないことについて、当社に対し表明し、保証するものとします。

続いて、ユーザーが投稿したコンテンツの著作権を誰に帰属させるか。

投稿した時点でサービス事業者に著作権を譲渡した、と整理することも可能ですし、実際にその旨明示してサービス構築している事業者も存在します。

しかし、ユーザーが提供したコンテンツがすべてサービス運営事業者のものになるというのは、ユーザーとしては素朴に抵抗があるところかと思います。

たとえばある飲食店紹介サイトに投稿した文書と写真の著作権が、投稿した瞬間にすべてそのサイトのものになってしまうとすれば、皆、投稿をしたがるでしょうか?

実際、過去には、そのような単純な利用規約を設定していたために、ユーザーから厳しい批判を受けて炎上したサービスも存在します。

そこでたとえば、ユーザーコンテンツの著作権は、ユーザー自身に帰属していることをまず確認しつつ、サービスの提供、維持、改善又は本サービスのプロモーションに必要な範囲において、サービス事業者がユーザーコンテンツを自由に利用することができる、といった条項を設けることが考えられます。

ユーザーの投稿
(前略)・・・ユーザーの投稿に関する著作権は、ユーザー自身に留保されます。当社はユーザーの投稿に関して著作権を取得することはありません。ただし、当社は、本サービスの提供、維持、改善又は本サービスのプロモーションに必要な範囲において、無償、無期限かつ地域非限定で、ユーザーの投稿を複製、翻案、自動公衆送信及びそのために必要な送信可能化をすることができるものとします。この場合、ユーザーは、当社および当社から権利を承継し又は許諾されたものに対し著作者人格権を行使しないものとします。

投稿を禁止するコンテンツ

コンテンツの権利関係は上記のとおり整理しました。

次に、他人の権利を侵害したり、他人に不快感を与えるようなコンテンツの投稿を禁止する規定について考えます。

たとえば次のような事項を列挙します。

・当社又は第三者の知的財産権、肖像権、プライバシー、名誉、その他の権利又は利益を侵害する情報
・ユーザーを特定可能な個人情報等を含む情報(ただし、利用登録に必要な場合等当社が求めた場合、その他当社が認めた場合を除きます。)
・わいせつな表現を含む情報
・異性、同性を問わず、面識のない第三者との出会い又はわいせつな行為等を目的とする情報
・自殺、自傷行為を誘引、勧誘又は助長する表現を含む情報
・薬物·危険ドラッグの売買に関する情報又は薬物危険ドラッグの不適切な利用を助長する表現を含む情報
・宗教的行為、宗教団体、政治的活動、政治団体の宣伝又は広告に関する情報
・ネットワークビジネス関連の勧誘等に関する情報
・ジャンクメール、スパムメールに相当する文面を含む情報
・未成年者に悪影響を及ぼすおそれのある情報
・残虐な表現その他他人に不快感を与えるおそれのある情報
・コンピュータウイルス等の不正プログラムを含む情報
・その他当社が不適切と判断する情報

そして、違反コンテンツを投稿した場合にはサービス利用停止などの措置が取れるようにします。

利用制限
当社は、ユーザーが以下のいずれかに該当する場合には、事前の通知なく、ユーザーに対して、本サービスの全部もしくは一部の利用を制限し、またはユーザーとしての登録を抹消することができるものとします。当社は、本条に基づき当社が行った行為によりユーザーに生じた損害について、一切の責任を負いません。
・本規約のいずれかの条項に違反した場合
(以下略)

禁止事項

禁止事項とは、読んで字の如く、サービス利用にあたりユーザーに禁止する事柄です。

禁止事項違反があった場合にはサービスの利用制限や退会、損害賠償請求などのペナルティを課すことができるように利用規約を設計します。

禁止事項は、サービスの性質ごとに個別に検討し、列挙していくことになりますが、代表的なものとしてはたとえば以下のようなものが挙げられます。

・法令、裁判所の判決、決定若しくは命令、又は法令上拘束力のある行政措置に違反する行為又はこれらを助長する行為
・犯罪行為に関連する行為
・当社や第三者の知的財産権を侵害する行為
・当社や第三者の肖像権、プライバシー、名誉、その他の権利又は利益を侵害する行為
・当社や第三者のサーバーまたはネットワークに過度の負担をかけたり、その正常な作動を妨害する行為
・当社のサービスの運営を妨害するおそれのある行為
・不正アクセスをし、またはこれを試みる行為
・逆アセンブル、逆コンパイル、リバースエンジニアリング等によって本サービスのソースコードを解析する行為
・本サービスに接続しているシステムに権限なく不正にアクセスし又は当社設備に蓄積された情報を不正に書き換え若しくは消去する行為
・本サービスのウェブサイトやソフトウェアを複製、送信、譲渡、貸与又は改変する行為
・本サービス上のアカウント又はコンテンツを第三者に有償で貸与、譲渡、売買等をする行為
・他のユーザーのアカウントを利用する行為
・反社会的勢力に対して直接または間接に利益を供与する行為
・公序良俗に違反する行為
・その他、当社が不適切と判断する行為

免責

サービスの提供者としては、「当社は、本サービスに関してユーザーに生じたあらゆる損害について一切の責任を負いません。」といった免責条項を整備して、あらゆる責任を回避したいところです。

しかし、消費者契約法という法律によって、事業者が一切の責任を負わないという免責規定は無効になります。

消費者契約法

(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

そこで、利用規約の策定に当たっては、消費者契約法第10条の規程を意識しながら、免責事項を準備することになります。

たとえば次のような規定が考えられます。

免責
当社は、本サービスに関してユーザーに生じたあらゆる損害について一切の責任を負いません。ただし、本サービスに関する当社とユーザーとの間の契約(本規約を含みます。)が消費者契約法に定める消費者契約となる場合、この免責規定は適用されません。
消費者契約に該当する場合であっても、当社は、当社の過失(重過失を除きます。)によってユーザーに生じた損害のうち特別の事情から生じた損害(当社またはユーザーが損害発生につき予見し、または予見し得た場合を含みます。)について、一切の責任を負いません。ユーザーと他のユーザーまたは第三者との間において生じたトラブルについても一切責任を負いません。
当社は、本サービスに関してユーザーが被った損害につき、当該損害が発生した月内にユーザーが当社に支払った利用料金を超えて賠償する責任を負わないものとします。

以上の文例は、3つの段落に分解できます。

1段落目は、「消費者契約法が適用されない場合は」一切の損害賠償責任を負わないという規定です。

2段落目は、消費者契約に該当する(ゆえに消費者契約法が適用される)場合であっても、ユーザーに生じた特殊な損害については責任を負わないというものです。たとえば、月額2000円のサブスクリプション式音楽ストリーミングアプリが、大規模なシステム障害で使えなくなってしまった。お気に入りの音楽が聞けないことがひとつの原因になって、うつ病を発症し病院に通院するようになったユーザーがいたとします。ここで、病院に通院した費用やその慰謝料などは、特殊な損害(法律家は「特別損害」と呼びます)であるため賠償責任の範囲に入らない、とすることで、賠償義務の範囲を制限しているのが、第2段落の役割になります。

そして、3段落目は、通常の損害についても、一定の金額の上限を設けることで、事業者をリスクヘッジするものです。ただし、あまりにも低額にしすぎると、ここでもやはり消費者契約法10条違反を指摘される可能性がありますので、具体的なサービスの内容や料金体系に照らして免責金額を設定しましょう。

一般条項

以上が骨格となる部分ですが、以上の他、一般的な契約(利用規約も契約の一種です)に含まれる条項を挿入しましょう。

一般条項の具体的な内容については、以下の記事を参考にしてください。

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利用規約を作成するときに気をつけること

以上、利用規約を作成するときに気をつけるべきことは

  • ユーザー登録
  • ログイン情報の管理責任
  • 未成年による利用
  • 事業者提供コンテンツの利用
  • ユーザー提供コンテンツの取り扱い
  • 投稿禁止コンテンツ
  • 禁止事項
  • 事業者の免責

です。

なお、いくつかの質問に答えるだけで法律文書を自動生成できるウェブサービス「KIYAC」(キヤク) を使えば、さまざまなサービスに対応した一般的な利用規約を数分程度で作成することができますので、是非利用してみてください。

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