業務委託の契約期間ってどうやって決めたらいいの?

「サイトのLP制作を依頼しようと思っているんだけど」「SNS運用をお願いしたいけど、半年契約がいい?1年契約がいい?」EC・ネットショップは、開業準備時から運用段階まで、様々な業務が発生します。ときにはこれを外部の事業者やフリーランスに外注(業務委託)することもあるでしょう。
その場合の契約期間は、どのように設定するのが妥当でしょうか?弁護士が解説します。

目次

契約期間中は解除できない

まず、当たり前といえば当たり前のことですが、多くの業務委託契約書では、中途解約は自由とされておらず、「両当事者が合意した場合」に限って中途解約可能とされています。

また、合意が不要な場合であっても、相手方への中途解約のダメージを軽減するため、解約を希望する時期の○ヶ月前、○日前までに解約の予告をし、それから当該期間が経過しなければ解約ができない、という形になっていることもあります。

たとえば、SNSの広告運用をお願いしたけれども、さっぱり成果が出ず、契約開始から1ヶ月で解約をしたいと思っても、1年契約となっていた場合、基本的には自由に解約はできず、契約書に記載された中途解約のルール(合意しないと解約できない / 一定の期間を経過しないと解除できない)に従う、ということになってしまいます。

そのため、業務委託契約の「期間」をどのように設定するのかは、委託する側にとっても、受託する側にとっても、非常に重要な問題になります。

まずは、単発の契約なのか、継続的な契約なのかを考よう

そこで、外部の事業者やフリーランスに業務の一部を委託する場合、まずはそこで依頼する内容が単発の業務なのか、継続的な業務なのかを考えましょう。

たとえば、LPの制作を依頼するということであれば、単発の業務ですので、あえて契約期間を「1年」「2年」などとする必要はありません。納品予定日を定め、契約期間は「成果物が納品され代金の支払いが完了するまで」とすれば目的を達することができます。

一方、SNS運用委託の場合、継続した業務が発生することになりますから、一定の期間で区切るのが合理的ということになります。まずはお試しで、ということであれば、3ヶ月程度とすることでもよいでしょうし、十分に信頼できる事業者なのであれば1年契約など長期間の契約とすることも十分に考えられます(その期間は、受託する事業者側も、勝手に途中で辞めるということは基本的にできなくなります。)。

継続的な契約の場合、中途解約時の清算内容を理解しておこう

継続的な契約とした場合であっても、途中でやはり契約をやめたくなった、というケースもあるでしょう。

このような場合に備えて、中途解約の場合にどのような清算が発生するのか、契約書をよく確認しておきましょう。

最初のポイントは、上記のとおり中途解約の方法です。両当事者が合意しないとだめなのか、合意までは不要だが一定の予告期間を置けば合意がなくても解除ができるのか、です。

次のポイントは、解約時の費用の処理です。受託者に有利な契約書では、中途解約の場合は一定の違約金が発生することが規定される場合もあります。法外な金額でなければ、違約金の定めは法的にも有効になります。

最後のポイントは、既払い金の処理です。月払いの契約(コンサル、顧問など)では、中途解約の場合収受済みの金員は一切返金しないと定められることが多いです。すでに履行済みの業務に対する対価ですから、法的にもこれは有効と認められるケースが大半です。

他方で単発型の業務委託契約で、業務をほとんど行っていないのに収受済みの金員は一切返金しないとするのは委託者にとって非常に不利なので、委託者側の場合は業務の履行割合によって返金する、経過期間に応じて返金するなど、一部返金が可能な条項を挿入しておくことが考えられます。

なお、業務委託契約書の作り方がわからない、という方には、法律文書自動生成サービスKIYAC(キヤク)がおすすめです。いくつかの簡単な質問に答えるだけ、わずか数分でシンプルな業務委託契約書(単発型 / 継続型)を作成することができます。

まとめ

業務委託契約書を準備する場合には、万が一相手方と途中でトラブルになった場合や、中途解約をしたくなった場合に、どのようなルールが発動することになるのか、しっかり検討しておくことをおすすめします。

KIYACで作成することができる「業務委託契約書」については、下記の記事も参考にしてみてください。

もっと専門的な業務委託契約書の解説もしております。

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